ダンス&パンセ

Youtube<ダンス&パンセ> BCCKS<知人書謀>https://bccks.jp/store/201964 にても展開中

2026年7月31日金曜日

森崎和江著『海路残照』(朝日新聞社)を読む

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  「もうおしきせの日本を着ているのはたくさんだと、そんな思いも強くなってくるのは、敗戦後の歳月がねばっこくすべての風景に降りつもったせいかもしれない。わたしはほんとうに、行方も知れないような旅をはじめた。自分のなかの生物的なカンだけが頼りであるかのように。  どうにか津軽ま...
2026年6月27日土曜日

是枝裕和著『雲は答えなかった』(PHP文庫)を読む

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 東京の方に手伝いにいっている造園会社に、派遣アルバイトから直アルバイトに直談判して半年働いてから、社員として働き始めた二十代半ばの、早稲田大学教育学部卒業の青年がいる。卒業後は、 IT 関連の企業に就職したらしいが、現場労働にトラヴァーユ、ということになろうか。話していると、現...
2026年6月15日月曜日

田口ランディ著『水俣 天地への祈り』(河出書房新社)

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「中上の熊野、ここ、そんなリアリズム(単純にいいきれるものではないとしても)を、好きではない。中上の、俺は、ここに、いる、この文句だけで読みをすすめている。千葉が嫌いと思ってた。風光明媚ではないし、何だか実体もないし。ここではないところに行きたかったんだ。これが否定されるにしろ、...
2026年6月4日木曜日

『アイヌと縄文――もうひとつの日本の歴史』(瀬川拓郎著 ちくま新書)を読む

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「オホーツクの青は マリンブルー? ウルトラマリンブルー? 屈斜路湖は コバルトブルー? シマンブルー? ブルーの名前がわからなくて、色の手帖をみても やっぱり わからなくて 私たちの議論は議論にならない。」(いく子の日記「はるみ NOTE   No2 」‘89.8.10) ...
2026年5月21日木曜日

執行草舟著『永遠の三島由紀夫』(実業之日本社)を読む

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シュタイナーに関して、スマホで調べているうちに、ヒットしてきた人物。こんな人がいた、いるのか、という驚きだ。 三島由紀夫が割腹する四年ほどまえの16才の頃から、数十回にわたり話し込んできて、遺言をたくされていたのだ、と自覚するのに五十年かかったのだ、というのは本当のことなのだ...
2026年4月26日日曜日

「『共同幻想論』に挑む 家族人類学的考察」(鹿島茂著 筑摩書房)をめぐって

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高群逸枝の詩的直観、想像の宇宙世界へと読み入っていくにつけて、吉本隆明は『共同幻想論』において、何か高群について述べているのではないかと、学生時代に教養的には読んでいたそれを読みかえしてみてはいた。が、やはりよくわからない。そんなおり、鹿島茂著の「『共同幻想論』に挑む 家族人類学...
2026年4月18日土曜日

シュタイナー覚え書き

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  冥王まさ子経由で、シュタイナーを読んでいる。 シュタイナーと言えば、とんでも神秘主義、というようなイメージをもっていただけであり、実際読み始めていくと、いったいこの霊的とされる宇宙現象を、どう理解していけばいいのかと面食らう。コリン・ウィルソンの伝記『ルドルフ・シュタイナ...
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木上の思考

菅原正樹
本名(鈴木正樹) 1967年生まれ。群馬県出身。高崎高校、早稲田大学第二文学部卒業。植木職人。(1級造園施工管理技師) 自著;『曖昧な時節の最中で』(近代文藝社)・『書かれるべきでない小説のためのエピローグ』(新風舎)、BCCKSより、知人書房として電子出版試作中。 *カニングハムは、「振り付けするとはダンサーがぶつからないようにすることだ」と言っている。盆栽に象徴される日本の植木の仕立ての技術とは、枝が交差し絡み、ぶつからないよう偶然を準備していくことにある。自然に気づかれないで、いかに生起してくるaccidentを馴化していくかの工夫なのだ。たとえ西洋のトピアリーのような造形をめざさないことに文化的な価値の規定を受けていようと、そこには特殊にとどまらない普遍的な対応がある。芥川が「筋のない話」として日本の私小説の困難な特異さと歴史的前衛性を洞察したことが、日本の植木職人の技術のなかにも潜在するのである。
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