ダンス&パンセ

Youtube<ダンス&パンセ> BCCKS<知人書謀>https://bccks.jp/store/201964 にても展開中

2025年12月7日日曜日

町の文化祭

›
  2年に一度の、住んでいる町内会の文化祭に、今回は、妻の遺品で出てきたスクラップブックと、その妻を歌った私の『 千葉集 』という短歌集を展示した。(前回初展示作品は、「 庭と戦争 」と題した解説と、私の 庭論冊子 だった。) 妻のものは、おそらく東京は中野区の団地に住んでい...
2025年11月28日金曜日

ミスター・ジャイアンツから

›
  長嶋茂雄も、大リーグでプレーしたかった、と、栗山元日本代表監督とのインタビューでもらしていた。しかし渡邊恒雄にいうと、だめだ、と言われたのだそうである。この戦後昭和のヒーローと、日本プロ野球界を破門されても大リーグにいった(いかざるをえなかった)野茂英雄と、どちらが偉く、続く...
2025年10月22日水曜日

三回忌

›
雨の日、妻の三回忌がやってきた。   庭では、玉すだれの白い花が、一輪、咲いている。亡くなる前の妻が、庭の片隅に生えてきたものを、居間で読書する私から見える場所へと移植したもので、四十九日にあたる12月に咲いたのだったが、翌年は、一輪も咲かなかった。今年の春先に、芝地から...
2025年10月2日木曜日

渡邊英里著『到来する女たち』(書肆侃々房)を読む

›
  「もしわたしが彼から、日本にうろちょろしている女はみな石ころだが君だけが女なり、なんぞといわれたとするなら、火に投げ入れられた金魚みたいにとびあがるでしょう。そしてマリリン・モンローを思いだして死にたくなるでしょう。彼女だって女なんです。ただ秘められた力を誰一人ひきだしえなか...
2025年9月15日月曜日

返歌

›
  福岡に住む、90歳前後であろう妻のおじさん、父の弟さんが、ときおり散文や短歌を送ってくる。判読しにくい手書きであり、意味を読み取るのも難しいのだが、最近いただいたものは、わかりやすい。そのなかからの、抜粋。   それと、その返事として出した私の歌。   戦後を...
2025年9月4日木曜日

スラヴォイ・ジジェク著『性と頓挫する絶対』(青土社)を読む(2)

›
  「恋しゅうございますわ。私のスフィンクス。して胸と肩との恋人。花なすお方。この上忍べとならば小鳥でも鳴いて仆れるでございましょうに。まして前の窓も壁もぼんやりしていること!」<「郁子より」『高群逸枝全集 第9巻』 理論社>   ファインマンが量子力学を理解できるものは...
2025年8月17日日曜日

スラヴォイ・ジジェク著『性と頓挫する絶対』(青土社 中山徹+鈴木英明訳)を読む(1)

›
   まず引用する。 ※     翻訳中のルビ、および強調傍点のような字体の横につくものは、このブログの機能上により、省略してある。 =====   定理Ⅰ 存在論の視差    「自由意志」への欲望……自己の行為に対する全的な且つ究極の責任をみずからに負い...
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示

木上の思考

菅原正樹
本名(鈴木正樹) 1967年生まれ。群馬県出身。高崎高校、早稲田大学第二文学部卒業。植木職人。(1級造園施工管理技師) 自著;『曖昧な時節の最中で』(近代文藝社)・『書かれるべきでない小説のためのエピローグ』(新風舎)、BCCKSより、知人書房として電子出版試作中。 *カニングハムは、「振り付けするとはダンサーがぶつからないようにすることだ」と言っている。盆栽に象徴される日本の植木の仕立ての技術とは、枝が交差し絡み、ぶつからないよう偶然を準備していくことにある。自然に気づかれないで、いかに生起してくるaccidentを馴化していくかの工夫なのだ。たとえ西洋のトピアリーのような造形をめざさないことに文化的な価値の規定を受けていようと、そこには特殊にとどまらない普遍的な対応がある。芥川が「筋のない話」として日本の私小説の困難な特異さと歴史的前衛性を洞察したことが、日本の植木職人の技術のなかにも潜在するのである。
詳細プロフィールを表示
Powered by Blogger.