2023年8月5日土曜日

電子出版発行『中上健次ノート』




 BCCKS / ブックス - 『中上健次ノート』菅原 正樹著

「路地の美恵の家にもどる前に、盆踊りを見に寄ろうと三人で、路地が小高い山に沿ってのびて切れたところにある空地に向かった。その空地は駅からの通りに面していた。ヘルメットをかぶった警察官がいた。骸骨のワッペンを一様に貼ったオートバイが十五、六台、空地に接した通りに置いてあった。通りからの交通がその並べて置いてあるオートバイに邪魔されたし、通りから空地への出入りも遮断された。」(『枯木灘』)全集3)

<資本主義バブル全盛期に書かれ、遺作となっていった未完の作品群が、今を告発してくる。文学が、歴史が終わったと言われ始めたその時期、暴走する主人公たちが蠢き、散っていった世界を解読するための創作ノート。>



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