2023年11月27日月曜日

庭と戦争


 居住している町内会の文化祭に、自著三冊、とその説明文を、出展してみた。

タイトルは、「庭と戦争」。

また戦争か、とふと思いたったのは先月。はからずも、妻への弔いの展示になってしまった。


<庭と戦争>

       庭、というと、敷地に作られた景観、と思われがち。

けれど、古語の意味は、海。

 水平線の手前の、平にないだ、漁をする所。転じて、地平線(山の稜線)の手前の、柴刈りに行く所。転じて、家の外の手前の、作業する土間。

 海や山に出かけるのに、天気を見誤ったら大変。命がけ。

 だからなのか、日和、とも表記された。

       島国の日本ならば、あそこは俺の庭だ! ですむ所もあるかもしれません。

けれど、陸続きだったら? 向こう側の人も、あそこは俺の庭だ! と言うかもしれません。

 つまり、それではすみません。命がけ。

       そんな島国と大陸の、すれ違いの現実を、子供たちの視点から描いたコミックが、諌山創さんの『進撃の巨人』。

   島国の外から現れた巨人(大陸側の最終兵器)が、「人を喰う話」です。

   その世界大戦の様は、にわ、という言葉の意味をめぐって、なされているのかもしれません。

 日和見にわみとが朝廷の国見くにみになるまえは天を気にする民の営み (すずき)

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※ ようやくというべきか、業界と結び付いているような造園学会の<にわ>理解とは一線を画す、若手の研究者たちが現れてきた。若い人たちのほうが、辞書を引けば普通にでてくる<にわ>という起源的な語義の意味をふまえて、未来を思考=志向している、と私は思う。

参照文献;

福嶋亮大 『思考の庭のつくりかた はじめての人文学ガイド』 星海社新書

腹瑠璃彦 『日本庭園をめぐる デジタル・アーカイヴの可能性』 ハヤカワ新書

     『州浜論』 作品社

山内朋樹 『庭のかたちが生まれるとき』


*ちなみに、出展した私の冊子『庭へむけて』『パパ、せんそうって、わかる?』『人を喰う話2』は、もともとは電子ブックとして、スマホで見られる形式のものなので、<bccks 知人書房>で検索すれば、無料で読むことができます。

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