ダンス&パンセ

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2022年5月27日金曜日

『未完の敗戦』(山崎雅弘著 集英社新書)を読む

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  「日本人は、なぜ死ぬまで働くのか。  日本の経営者は、なぜ死ぬまで社員を働かせるのか。」(「まえがき」)   そう現代に生じる日本社会での疑問を、戦時中の「特攻」に代表される「大日本帝国の精神文化」(考え方)、「自己犠牲」の美学的倫理が戦後も生き延びている連続的な...
2022年5月21日土曜日

陰暴論をめぐる

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  一番最初の陰暴論とは、マルクス主義だと言われる。 マルクスの『資本論』自体は、世の中の複雑さを複雑なまま理解することは人には困難であるから、構造化できることを抽出し、単純化したものだろう。数字や記号のかわりに、哲学的な概念を用いた、数学的なモデルのようなものだろう。わかり...
2022年5月7日土曜日

ひととき

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   ばっけと地元の人たちから呼ばれている川沿いのくねった道路を曲がって、すぐに縄文遺跡の遺る高台の坂道をのぼりはじめると、「こわいわね」と助手席に座った女房が言ってくる。昔は海だった坂下から切りたった崖の上へと一気にかけあがるようにアクセルを踏まないといけないから、重力で背もた...
2022年4月29日金曜日

エマニュエル・トッドの「日本核武装のすすめ」をめぐり――戦争続報(5)

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トッドが、その家族人類学理論から、実践への提言をする場合、問題とするその国や地域の家族類型の行動的特徴を捉えて、問題症状はその行き過ぎから来るのであるから、その行動類型とは逆向きな方へと実践を誘導し、バランスを取らせていく、という提案になる。たとえば、日本の「直径家族」的な家族構...
2022年4月26日火曜日

戦争続報(4)

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戦争状況に突入するとは、レヴィナス風にいえば、非人称の世界に入るということであり、フロイト風な精神分析の用語でいえば、無意識とか、それ=itの世界に呑み込まれた状態、ということになるのだろう。そこでは、ゆえに主体的な判断が不可能になる。 ウクライナはマリウポリのアゾフスタリ製鉄...
2022年4月20日水曜日

戦争続報(3)

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 今週日曜の「たけしの TV タックル」とかいう番組になるのか、食卓の下で昼寝しながら、そのコメンテイターの話をきいていた。日本語が達者な、ウクライナにいるのだろうウクライナの男性がゲストにむかえられていた。声だけしかきいていないので表情はわからない。出席者たちは、以前はだいぶ好...
2022年4月15日金曜日

戦争続報(2)

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  『文藝春秋』 5 月号の、歴史人口学者と紹介されるエマニュエル・トッドの「日本核武装のすすめ」をめぐり、その是非を彼の理論的作業を参照しながら考察してみると、前回ブログで述べたが、そのまえに、同紙に掲載されている元総理・安倍晋三の「「核共有」の議論から逃げるな」、を抑えておく...
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木上の思考

菅原正樹
本名(鈴木正樹) 1967年生まれ。群馬県出身。高崎高校、早稲田大学第二文学部卒業。植木職人。(1級造園施工管理技師) 自著;『曖昧な時節の最中で』(近代文藝社)・『書かれるべきでない小説のためのエピローグ』(新風舎)、BCCKSより、知人書房として電子出版試作中。 *カニングハムは、「振り付けするとはダンサーがぶつからないようにすることだ」と言っている。盆栽に象徴される日本の植木の仕立ての技術とは、枝が交差し絡み、ぶつからないよう偶然を準備していくことにある。自然に気づかれないで、いかに生起してくるaccidentを馴化していくかの工夫なのだ。たとえ西洋のトピアリーのような造形をめざさないことに文化的な価値の規定を受けていようと、そこには特殊にとどまらない普遍的な対応がある。芥川が「筋のない話」として日本の私小説の困難な特異さと歴史的前衛性を洞察したことが、日本の植木職人の技術のなかにも潜在するのである。
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