2024年1月28日日曜日

山田いく子リバイバル(1)ー2


 1992年の作品「ガーベラは・と言った」の、いく子の制作過程を振り返った文章がみつかった。

 

1992.10<ラジオから昔のヒットソングがかかり、台所に座ってる女の人が、アルコール依存症にかかってるような、こわれたものにしようと思っている。

でもこわれない。深谷先生のところのメンバーはこわれない。冷たくも無機質にもなれない。困った人だ。どう振り付けていいのかわからない。だからコミカルダンスに変えちゃった。そう思えるかどうかわからないけれど、私から言われると、明るいからコミカル。照明も明るく入れてもらったし、きれいに仕上がった。>

 

しかし、最初の意図が、実現されてしまっていると見るべきだろう。じゅうぶん、椅子に座ったままの女性がアル中になってゆくような、退廃性をたたえている。コミカルに変えたのは、マリオネットなピノキオみたいな動きが、より女性の置かれた位置・拘束を浮き彫りにさせた。

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