2018年3月9日金曜日

青写真

「天狗や猿だけがこの塚の魅力ではない。絶壁のような塚へと誘うのは、ジグザグの道。形のいい植え込みも美しい。配置のセンスはバツグンだ。よく見ると、ボク石でポケット状のプランターまでできている。庭師はどれだけ心をこめて塚を造ったのか。いい仕事をしたものだ。」(『富士塚ゆる散歩』有坂容子著 講談社)




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青写真

(1)  名称(仮) <ワーキング・サロン にわ>
・この場所名称のもとに、①「植木手入れ すずき」
            ②「車いす付タクシー すずき」
            ③ ○○塾(都市体験ツアー)、出版、民泊……など。
などの自営業がある。(1)の場所(サロン)名称は、NPO法人化を目指す。経理上の在り方は、税理士と相談。

(2)  動機 ①今の職場㈱庭○は、3代目35歳の方針をめぐって親子齟齬、および、若い従業員が3代目ともめてみなやめて、私と71歳になる職人さんしかいない。家の手入れだけでなく、役所の重労働に3代目から借りだされるので、将来的に、体と精神がもたない。
   ②一希の相続問題;孫が1名しかいないので、藤岡二つと千葉の三つの不動産の相続の件を、10年後には検討しなくてはならなくなる。法人化には、相続税はかからないので、一つでもそのように活用しておく。たとえば、輝明の家の階下は、自営うまくいかなければ法人に貸し出し、その家賃をとる。
   ③<庭>という分野での創造的な試みを通して、自分の運命を読みたい。運(自然)は変えられず、ゆえに試すこともできず、決まっているようにみえる。人にできることは、それを正確に読み取ろうとすることだけである。<にわ>という古語の概念把握は、おそらく私が日本で初めて理解した。それが現実上動くか、見てみる必要がある。

(3)  具体的に ①場所;弟の家からの場合、近所に造園屋があるので、菓子折りをもって挨拶にいく。近所の参考団体は、生活クラブと提携している<助け合いワーカーズ 歓 フォア○>や<NPO法人 じゃんけんぽ○>。女房は中野や杉並区とかいっているが、どちらにせよ、東京と地方を私が行き来することからになるだろう。
     ②時期;庭○の出方による。3代目が喧嘩を売ってくれば、早ければ来年からと考えられるので、準備しておく。庭○という職場・技術自体には、意義が継承されているので、問題は露わにしたくない。かといって、私がそこに居続けても、もはや知的に退屈するだけ。2代目親方は、私に居続けて技術と職人の考えを伝承させてもらいたい一方、まだ子育て中の現役職人を抱え込んでいることに疲れを感じている。会社の方針や職人としての倫理の在り方が、息子と相違していようと、もうどうともなれと、全面的に任せて、楽になりたい、というのが本音だろう。

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なかなか、外堀が埋まらない。おまえには迷惑かけたくないから、と母は実家の方には来なくていいと考えている。いわゆる仕事をしたいわけではないから、いきなり内堀埋めて、見切りで独立しても、やることないだけでなく、面白くない。文脈を作る、という知的過程の延長において実践していかないと。家では、まだ女房と息子の勉強バトルが激しさを増している。「バカな大学でても就職などない。あなたは文学部などでて就職あるとおもってたの? 何もしらなかったのでしょ!」と、こちらに食ってかかってくる。そこらのばあさんがそう言うならまだしも、おまえはダンス(芸術)をやっていたのではないか? 文学(芸術)が世俗の営みとは別次元の活動としてある、というのは当たり前な前提だろう? 就活なんて初めからする気がなかったぞ。と言っても「何を言っているんのかわからない」のだそうだ。オノ・ヨーコが売れないアーチストのままだったとしても、漢字の書き順がちがうスペルが違うと、子供を蹴とばし続けるか? 官僚家系で育った無意識が噴出して、自分が職人の家族にいる、という現実的基盤がまったくわかっていない。親方の長女の息子も勉強できないらしく、夫婦バトルも激しいらしいが、子供たちは明るく育っているようにみえる。が、イツキは、暗い、暗くなってきた。……私が独り身だったら、植木屋は知的にあきてきたので、山仕事を探しにためらいもなく行くだろう。が、こんな状態では、逃げるわけにもいかず。とにかく、もっと外をと、外堀を埋めるというより、開拓作業に手をつけていこう。