2019年3月3日日曜日

紙類たち

「本来の意味での伝統、すなわち政治的な価値と現実をもつ伝統はすべて、必然的に口承的または見世物的、すなわち直接的である。文字で書かれたものは、本性上、その物質的な担い手から――それを時間のなかに固定する作者から――切り離されている。…(略)…ブルジョワ支配の時代に欠けているのは、まさしくこの口承伝承に他ならない。」(『権威の概念』アレクサンドル・コジェーヴ著 法政大学出版局)

義父の写経(般若心経)
父の遺書
私が30歳の時、書かれたものらしい。
神棚を整理していたら、でてきたそうだ。
弟は、自殺を考えていたのだろうと言う。
遺書の入った封筒の中には他に、以下のものがあった。

徳川家康の遺訓の写し
曾祖父の遺訓の写し
辞世の歌
株わけして培ひおきし白牡丹去年にまさりて咲くぞ嬉しき
母に引き裂かれた息子の教科書群
先送りされていく問題は、どのように咲くのか?

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